06 前へ配達員の怪訝な顔を見て、シロヤギウスは更に動揺した。建物の中は涼しかったが、額に汗が滲んできた。しどろもどろに、 「ええと、その、道に迷ってしまって」 と言うと配達員は、 「ああそうでしたか。ここから北に500メートルほど行けば、カジバル集落に出ますけど。地元の方じゃなさそうですね」 と言う。カジバル?と思わず聞き返す。外国にでも来てしまったのだろうか? 「そうです、カジバル。方言だから、読み間違えますよね」 配達員はにこやかに答えた。少し考えて、合点した。なるほど、「風原」を「カジバル」と読むのか。 だが、それがわかったところで、何の解決にもならなかった。 次へ
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